昭和58年 浪花恋しぐれ(5月21日発売)
新宿のピアノバーで弾き語りをしていた岡千秋さんに惚れてデュエットを頼んだと言うはるみさん。
大阪弁のイントネーションが習得できずに1ヶ月東京から大阪に通ったという姫路出身の岡千秋さん。
そのため1ヶ月発売が遅れたという浪花恋しぐれ。(2006年12月24日の新大阪歌舞伎座ファイナル公演でのトーク。
新歌舞伎座の浪花恋しぐれは、武道館以来だと思いますが、岡千秋さん生出のための仕組まれたサプライズ。
はるみさんのお浜春団次の一人二役に惹かれます。
「酒や酒や酒こうてこい」痺れます。
男者を歌える(特に台詞まわし)のははるみさんと中村美律子さんくらいでは。
余談になりますが3~4年前名古屋御園座で美ちゃんのステージを観ました。
講釈師に扮した美ちゃんが20分そこそこ「瞼の母」のフルバージョン。
番場の忠太郎、おはま、お登勢の三役と歌に台詞、浪曲にと八面六臂。
感動というか日本人の心魂を揺るがす大作でした。
故三波春夫さんの一連の歌謡浪曲を髣髴とさせるものがありました。
8分そこそこの台詞入りバージョンは何度か聴いたことはありますが、
これは凄かった。もう観れないと思っています。
「メッセージ」(064)のなかで
「あとは大作を作りたいですね、九分とか十分の。三波春夫さんがやって
らっしゃいましたでしょ。そういうものを私の十八番にしていきたいなとと
おもってるんです」。はるみさんにしか出せないオリジナルを是非。
それはさておき、4分強のはるみさんの「浪花恋しぐれ」。
シングルカットが先かLP発売が先か判りませんが、おぼろげな記憶を辿ると、
当時、11人の男性と歌うデュエット曲集「都はるみと11人の男たち」(下欄ジャケット写真)と題したLPが発売に
なり話題になったことを思い出します。
その中の1曲が「浪花恋しぐれ」。始めてこのアルバムを聴いた時正直言って「浪花
恋しぐれ」より「恋のさだめ川」、
「危険な関係」、「先斗町小唄」の方が印象に残っています。
昭和58年 裏町ごころ・新宿海峡(1月1日発売)
「裏町ごころ」はA面で市川昭介作曲、「新宿海峡」は徳久広司作曲でB面。「裏町ごころ」は安心できる市川メロディー。
私的に好きなのはB面の「新宿海峡」。今更コンサートで聴いてみたいと言っても無理な話ですがせめて今のはるみさん
の声で聴いてみたい曲の1曲です。
新宿を題材にした曲に「新宿2丁目ほたる草」がありますが(LP「なさけ川」に収録)これもコンサートで聴いてみたい曲
の1曲。持論ですが新曲がリリースされるたびにアルバムもリリースされますが、一度でいいからアンコ椿から・・・、涙
の連絡船まで今の声で今の歌唱でリメークして欲しいと思います。何故、だめなのかな?こんな風に考えているファンは
結構多いと思いますが、出来ないのはレコード会社の怠慢?それとも出来ない理由があるのでしょうか。円熟の極にあ
るはるみさんを聴いてみたいものです。コンサートに足を運べない多くのファンの為にも。
もう一つ、B面とシングルカットされてない曲だけでアルバムは出来ないんでしょうか。アンコ椿も涙の連絡船も夫婦坂も
無いアルバム。ちょっと奇にてらっているかも知れませんが、シングルカットされていない曲やB面にも世に出したい曲は数多くあるのですが・・・・・。
収録曲
浪花恋しぐれ 岡千秋
札幌ふたりづれ 淵野忠明
恋のさだめ川 徳久広司
雨の大阪宗右衛門町 朝田のぼる
横須賀ラストナイト 中村泰士
危険な関係 梶原茂+小林ジロー
夕霧楼絶唱 北川真一郎
わかれ友だち 二城元美
先斗町小唄 七海徳治郎 |