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增加个人魅力,勤灌水-经典日本文学童话故事N篇

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发表于 2007-7-25 12:36:37 | 显示全部楼层 |阅读模式
http://www.aozora.gr.jp/cards/000121/card4719.html
去年の木
新美南吉

 いっぽんの木と、いちわの小鳥とはたいへんなかよしでした。小鳥はいちんちその木の枝(えだ)で歌をうたい、木はいちんちじゅう小鳥の歌をきいていました。
 けれど寒い冬がちかづいてきたので、小鳥は木からわかれてゆかねばなりませんでした。
「さよなら。また来年きて、歌をきかせてください。」
と木はいいました。
「え。それまで待っててね。」
と、小鳥はいって、南の方へとんでゆきました。
 春がめぐってきました。野や森から、雪がきえていきました。
 小鳥は、なかよしの去年(きょねん)の木のところへまたかえっていきました。
 ところが、これはどうしたことでしょう。木はそこにありませんでした。根っこだけがのこっていました。
「ここに立ってた木は、どこへいったの。」
と小鳥は根っこにききました。
 根っこは、
「きこりが斧(おの)でうちたおして、谷のほうへもっていっちゃったよ。」
といいました。
 小鳥は谷のほうへとんでいきました。
 谷の底(そこ)には大きな工場があって、木をきる音が、びィんびィん、としていました。
 小鳥は工場の門の上にとまって、
「門さん、わたしのなかよしの木は、どうなったか知りませんか。」
とききました。
 門は、
「木なら、工場の中でこまかくきりきざまれて、マッチになってあっちの村へ売られていったよ。」
といいました。
 小鳥は村のほうへとんでいきました。
 ランプのそばに女の子がいました。
 そこで小鳥は、
「もしもし、マッチをごぞんじありませんか。」
とききました。
 すると女の子は、
「マッチはもえてしまいました。けれどマッチのともした火が、まだこのランプにともっています。」
といいました。
 小鳥は、ランプの火をじっとみつめておりました。
 それから、去年(きょねん)の歌をうたって火にきかせてやりました。火はゆらゆらとゆらめいて、こころからよろこんでいるようにみえました。
 歌をうたってしまうと、小鳥はまたじっとランプの火をみていました。それから、どこかへとんでいってしまいました。
 楼主| 发表于 2007-7-25 12:37:21 | 显示全部楼层
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蟹のしょうばい
新美南吉

 蟹(かに)がいろいろ考えたあげく、とこやをはじめました。蟹(かに)の考えとしてはおおできでありました。
 ところで、蟹(かに)は、
「とこやというしょうばいは、たいへんひまなものだな。」
と思いました。と申(もう)しますのは、ひとりもお客さんがこないからであります。
 そこで、蟹(かに)のとこやさんは、はさみをもって海っぱたにやっていきました。そこにはたこがひるねをしていました。
「もしもし、たこさん。」
と蟹(かに)はよびかけました。
 たこはめをさまして、
「なんだ。」
といいました。
「とこやですが、ごようはありませんか。」
「よくごらんよ。わたしの頭に毛があるかどうか。」
 蟹(かに)はたこの頭をよくみました。なるほど毛はひとすじもなく、つるんこでありました。いくら蟹(かに)がじょうずなとこやでも、毛のない頭をかることはできません。
 蟹(かに)は、そこで、山へやっていきました。山にはたぬきがひるねをしていました。
「もしもし、たぬきさん。」
 たぬきはめをさまして、
「なんだ。」
といいました。
「とこやですがごようはありませんか。」
 たぬきは、いたずらがすきなけものですから、よくないことを考えました。
「よろしい、かってもらおう。ところで、ひとつやくそくしてくれなきゃいけない。というのは、わたしのあとで、わたしのお父さんの毛もかってもらいたいのさ。」
「へい、おやすいことです。」
 そこで、蟹(かに)のうでをふるうときがきました。
 ちょっきん、ちょっきん、ちょっきん。
 ところが、蟹(かに)というものは、あまり大きなものではありません。蟹(かに)とくらべたら、たぬきはとんでもなく大きなものであります。その上たぬきというものは、からだじゅうが毛むくじゃらであります。ですから仕事はなかなかはかどりません。蟹(かに)は口から泡(あわ)をふいていっしょうけんめいはさみをつかいました。そして三日かかって、やっとのこと仕事はおわりました。
「じゃ、やくそくだから、わたしのお父さんの毛もかってくれたまえ。」
「お父さんというのは、どのくらい大きなかたですか。」
「あの山くらいあるかね。」
 蟹(かに)はめんくらいました。そんなに大きくては、とてもじぶんひとりでは、まにあわぬと思いました。
 そこで蟹(かに)は、じぶんの子どもたちをみなとこやにしました。子どもばかりか、まごもひこも、うまれてくる蟹(かに)はみなとこやにしました。
 それでわたくしたちが道ばたにみうける、ほんに小さな蟹(かに)でさえも、ちゃんとはさみをもっています。
 楼主| 发表于 2007-7-25 12:38:39 | 显示全部楼层
http://www.aozora.gr.jp/cards/000329/card3390.html
浦島太郎
楠山正雄

     一

 むかし、むかし、丹後(たんご)の国水(みず)の江(え)の浦(うら)に、浦島太郎というりょうしがありました。
 浦島太郎は、毎日つりざおをかついでは海へ出かけて、たい[#「たい」に傍点]や、かつお[#「かつお」に傍点]などのおさかなをつって、おとうさんおかあさんをやしなっていました。
 ある日、浦島はいつものとおり海へ出て、一日おさかなをつって、帰ってきました。途中(とちゅう)、子どもが五、六人往来(おうらい)にあつまって、がやがやいっていました。何(なに)かとおもって浦島がのぞいてみると、小さいかめの子を一ぴきつかまえて、棒(ぼう)でつついたり、石でたたいたり、さんざんにいじめているのです。浦島は見かねて、
「まあ、そんなかわいそうなことをするものではない。いい子だから」
と、とめましたが、子どもたちはきき入れようともしないで、
「なんだい。なんだい、かまうもんかい」
といいながら、またかめの子を、あおむけにひっくりかえして、足でけったり、砂(すな)のなかにうずめたりしました。浦島はますますかわいそうにおもって、
「じゃあ、おじさんがおあし[#「おあし」に傍点]をあげるから、そのかめの子を売っておくれ」
といいますと、こどもたちは、
「うんうん、おあし[#「おあし」に傍点]をくれるならやってもいい」
といって、手を出しました。そこで浦島はおあし[#「おあし」に傍点]をやってかめの子をもらいうけました。
 子どもたちは、
「おじさん、ありがとう。また買っておくれよ」
と、わいわいいいながら、行ってしまいました。
 そのあとで浦島は、こうら[#「こうら」に傍点]からそっと出したかめの首(くび)をやさしくなでてやって、
「やれやれ、あぶないところだった。さあもうお帰りお帰り」
といって、わざわざ、かめを海ばたまで持って行ってはなしてやりました。かめはさもうれしそうに、首や手足をうごかして、やがて、ぶくぶくあわをたてながら、水のなかにふかくしずんで行ってしまいました。
 それから二、三日たって、浦島はまた舟にのって海へつりに出かけました。遠い沖(おき)のほうまでもこぎ出して、一生(いっしょう)けんめいおさかなをつっていますと、ふとうしろのほうで
「浦島さん、浦島さん」
とよぶ声がしました。おやとおもってふりかえってみますと、だれも人のかげは見えません。その代(かわ)り、いつのまにか、一ぴきのかめが、舟のそばにきていました。
 浦島がふしぎそうな顔をしていると、
「わたくしは、先日助(たす)けていただいたかめでございます。きょうはちょっとそのお礼(れい)にまいりました」
 かめがこういったので、浦島はびっくりしました。
「まあ、そうかい。わざわざ礼なんぞいいにくるにはおよばないのに」
「でも、ほんとうにありがとうございました。ときに、浦島さん、あなたはりゅう[#「りゅう」に傍点]宮(ぐう)をごらんになったことがありますか」
「いや、話にはきいているが、まだ見たことはないよ」
「ではほんのお礼のしるしに、わたくしがりゅう[#「りゅう」に傍点]宮を見せて上げたいとおもいますがいかがでしょう」
「へえ、それはおもしろいね。ぜひ行ってみたいが、それはなんでも海の底にあるということではないか。どうして行くつもりだね。わたしにはとてもそこまでおよいでは行けないよ」
「なに、わけはございません。わたくしの背中(せなか)におのりください」
 かめはこういって、背中を出しました。浦島は半分きみわるくおもいながら、いわれるままに、かめの背中にのりました。
 かめはすぐに白い波(なみ)を切って、ずんずんおよいで行きました。ざあざあいう波の音がだんだん遠(とお)くなって、青い青い水の底へ、ただもう夢(ゆめ)のようにはこばれて行きますと、ふと、そこらがかっとあかるくなって、白玉(しらたま)のようにきれいな砂(すな)の道(みち)がつづいて、むこうにりっぱな門が見えました。その奥(おく)にきらきら光って、目のくらむような金銀のいらかが、たかくそびえていました。
「さあ、りゅう[#「りゅう」に傍点]宮(ぐう)へまいりました」
 かめはこういって、浦島を背中(せなか)からおろして、
「しばらくお待ちください」
といったまま、門のなかへはいって行きました。


     二

 まもなく、かめはまた出てきて、
「さあ、こちらへ」
と、浦島を御殿(ごてん)のなかへ案内(あんない)しました。たい[#「たい」に傍点]や、ひらめ[#「ひらめ」に傍点]やかれい[#「かれい」に傍点]や、いろいろのおさかなが、ものめずらしそうな目で見ているなかをとおって、はいって行きますと、乙姫(おとひめ)さまがおおぜいの腰元(こしもと)をつれて、お迎(むか)えに出てきました。やがて乙姫(おとひめ)さまについて、浦島はずんずん奥(おく)へとおって行きました。めのう[#「めのう」に傍点]の天井(てんじょう)にさんご[#「さんご」に傍点]の柱、廊下(ろうか)にはるり[#「るり」に傍点]がしきつめてありました。こわごわその上をあるいて行きますと、どこからともなくいいにおいがして、たのしい楽(がく)の音(ね)がきこえてきました。
 やがて、水晶(すいしょう)の壁(かべ)に、いろいろの宝石(ほうせき)をちりばめた大広間(おおひろま)にとおりますと、
「浦島さん、ようこそおいでくださいました。先日はかめのいのちをお助(たす)けくださいまして、まことにありがとうございます。なんにもおもてなしはございませんが、どうぞゆっくりおあそびくださいまし」
と、乙姫さまはいって、ていねいにおじぎしました。やがて、たい[#「たい」に傍点]をかしらに、かつお[#「かつお」に傍点]だの、ふぐ[#「ふぐ」に傍点]だの、えび[#「えび」に傍点]だの、たこ[#「たこ」に傍点]だの、大小いろいろのおさかなが、めずらしいごちそうを山とはこんできて、にぎやかなお酒盛(さかもり)がはじまりました。きれいな腰元(こしもと)たちは、歌をうたったり踊(おど)りをおどったりしました。浦島はただもう夢(ゆめ)のなかで夢を見ているようでした。
 ごちそうがすむと、浦島はまた乙姫さまの案内(あんない)で、御殿(ごてん)のなかをのこらず見せてもらいました。どのおへやも、どのおへやも、めずらしい宝石でかざり立ててありますからそのうつくしさは、とても口やことばではいえないくらいでした。ひととおり見てしまうと、乙姫(おとひめ)さまは、
「こんどは四季のけしきをお目にかけましょう」
といって、まず、東の戸をおあけになりました。そこは春のけしきで、いちめん、ぼうっとかすんだなかに、さくらの花が、うつくしい絵のように咲き乱(みだ)れていました。青青(あおあお)としたやなぎの枝(えだ)が風になびいて、そのなかで小鳥がないたり、ちょうちょうが舞(ま)ったりしていました。
 次に、南の戸をおあけになりました。そこは夏のけしきで、垣根(かきね)には白いう[#「う」に傍点]の花が咲いて、お庭の木の青葉(あおば)のなかでは、せみやひぐらし[#「ひぐらし」に傍点]がないていました。お池には赤と白のはすの花が咲いて、その葉の上には、水晶(すいしょう)の珠(たま)のように露(つゆ)がたまっていました。お池のふちには、きれいなさざ波(なみ)が立って、おしどり[#「おしどり」に傍点]やかも[#「かも」に傍点]がうかんでいました。
 次に西の戸をおあけになりました。そこは秋のけしきで花壇(かだん)のなかには、黄ぎく、白(しら)ぎくが咲き乱れて、ぷんといいかおりを立てました。むこうを見ると、かっともえ立つようなもみじの林の奥(おく)に、白い霧(きり)がたちこめていて、しかのなく声がかなしくきこえました。
 いちばんおしまいに、北の戸をおあけになりました。そこは冬のけしきで、野には散(ち)りのこった枯葉(かれは)の上に、霜(しも)がきらきら光っていました。山から谷にかけて、雪がまっ白に降り埋(うず)んだなかから、柴(しば)をたくけむりがほそぼそとあがっていました。
 浦島は何を見ても、おどろきあきれて、目ばかり見はっていました。そのうちだんだんぼうっとしてきて、お酒に酔(よ)った人のようになって、何もかもわすれてしまいました。
 楼主| 发表于 2007-7-25 12:39:04 | 显示全部楼层
     三

 毎日おもしろい、めずらしいことが、それからそれとつづいて、あまりりゅう[#「りゅう」に傍点]宮がたのしいので、なんということもおもわずに、うかうかあそんでくらすうち、三年の月日がたちました。
 三年めの春になったとき、浦島はときどき、ひさしくわすれていたふるさとの夢(ゆめ)を見るようになりました。春の日のぽかぽかあたっている水(みず)の江(え)の浜べで、りょうしたちがげんきよく舟うたをうたいながら、網(あみ)をひいたり舟をこいだりしているところを、まざまざと夢に見るようになりました。浦島はいまさらのように、
「おとうさんや、おかあさんは、いまごろどうしておいでになるだろう」
と、こうおもい出すと、もう、いても立ってもいられなくなるような気がしました。なんでも早くうちへ帰りたいとばかりおもうようになりました。ですから、もうこのごろでは、歌をきいても、踊(おど)りを見ても、おもしろくない顔をして、ふさぎこんでばかりいました。
 その様子(ようす)を見ると、乙姫(おとひめ)さまは心配(しんぱい)して、
「浦島さん、ご気分でもおわるいのですか」
とおききになりました。浦島はもじもじしながら、
「いいえ、そうではありません。じつはうちへ帰りたくなったものですから」
といいますと、乙姫さまはきゅうに、たいそうがっかりした様子をなさいました。
「まあ、それはざんねんでございますこと。でもあなたのお顔をはいけんいたしますと、この上おひきとめ申しても、むだのようにおもわれます。ではいたし方(かた)ございません、行っていらっしゃいまし」
 こうかなしそうにいって、乙姫さまは、奥(おく)からきれいな宝石(ほうせき)でかざった箱(はこ)を持っておいでになって、
「これは玉手箱(たまてばこ)といって、なかには、人間のいちばんだいじなたからがこめてございます。これをおわかれのしるしにさし上げますから、お持ちかえりくださいまし。ですが、あなたがもういちどりゅう[#「りゅう」に傍点]宮(ぐう)へ帰ってきたいとおぼしめすなら、どんなことがあっても、けっしてこの箱をあけてごらんになってはいけません」
と、くれぐれもねんをおして、玉手箱(たまてばこ)をおわたしになりました。浦島は、
「ええ、ええ、けっしてあけません」
といって、玉手箱をこわきにかかえたまま、りゅう[#「りゅう」に傍点]宮(ぐう)の門を出ますと、乙姫(おとひめ)さまは、またおおぜいの腰元(こしもと)をつれて、門のそとまでお見送りになりました。
 もうそこには、れいのかめがきて待っていました。
 浦島はうれしいのとかなしいのとで、胸(むね)がいっぱいになっていました。そしてかめの背中(せなか)にのりますと、かめはすぐ波(なみ)を切って上がって行って、まもなくもとの浜べにつきました。
「では浦島さん、ごきげんよろしゅう」
と、かめはいって、また水のなかにもぐって行きました。浦島はしばらく、かめの行(ゆ)くえを見送っていました。


     四

 浦島は海ばたに立ったまま、しばらくそこらを見まわしました。春の日がぽかぽかあたって、いちめんにかすんだ海の上に、どこからともなく、にぎやかな舟うたがきこえました。それは夢(ゆめ)のなかで見たふるさとの浜べの景色(けしき)とちっともちがったところはありませんでした。けれどよく見ると、そこらの様子(ようす)がなんとなくかわっていて、あう人もあう人も、いっこうに見知らない顔ばかりで、むこうでもみょうな顔をして、じろじろ見ながら、ことばもかけずにすまして行ってしまいます。
「おかしなこともあるものだ。たった三年のあいだに、みんなどこかへ行ってしまうはずはない。まあ、なんでも早くうちへ行ってみよう」
 こうひとりごとをいいながら、浦島はじぶんの家の方角(ほうがく)へあるき出しました。ところが、そことおもうあたりには草やあし[#「あし」に傍点]がぼうぼうとしげって、家なぞはかげもかたちもありません。むかし家の立っていたらしいあとさえものこってはいませんでした。いったい、おとうさんやおかあさんはどうなったのでしょうか。浦島は、
「ふしぎだ。ふしぎだ」
とくり返しながら、きつねにつままれたような、きょとんとした顔をしていました。
 するとそこへ、よぼよぼのおばあさんがひとり、つえにすがってやってきました。浦島はさっそく、
「もしもし、おばあさん、浦島太郎のうちはどこでしょう」
と、声をかけますと、おばあさんはけげんそうに、しょぼしょぼした目で、浦島の顔をながめながら、
「へえ、浦島太郎。そんな人はきいたことがありませんよ」
といいました。浦島はやっきとなって、
「そんなはずはありません。たしかにこのへんに住んでいたのです」
といいました。
 そういわれて、おばあさんは、
「はてね」と、首(くび)をかしげながら、つえでせいのびしてしばらくかんがえこんでいましたが、やがてぽんとひざをたたいて、
「ああ、そうそう、浦島太郎さんというと、あれはもう三百年も前の人ですよ。なんでも、わたしが子どものじぶんきいた話に、むかし、むかし、この水(みず)の江(え)の浜に、浦島太郎という人があって、ある日、舟にのってつりに出たまま、帰ってこなくなりました。たぶんりゅう[#「りゅう」に傍点]宮(ぐう)へでも行ったのだろうということです。なにしろ大昔(おおむかし)の話だからね」
 こういって、また腰(こし)をかがめて、よぼよぼあるいて行ってしまいました。
 浦島はびっくりしてしまいました。
「はて、三百年、おかしなこともあるものだ。たった三年りゅう[#「りゅう」に傍点]宮にいたつもりなのに、それが三百年とは。するとりゅう[#「りゅう」に傍点]宮(ぐう)の三年は、人間の三百年にあたるのかしらん。それでは家もなくなるはずだし、おとうさんやおかあさんがいらっしゃらないのもふしぎはない」
 こうおもうと、浦島はきゅうにかなしくなって、さびしくなって、目の前がくらくなりました。いまさらりゅう[#「りゅう」に傍点]宮がこいしくてたまらなくなりました。
 しおしおとまた浜べへ出てみましたが、海の水はまんまんとたたえていて、どこがはてともしれません。もうかめも出てきませんから、どうしてりゅう[#「りゅう」に傍点]宮へわたろう手だてもありませんでした。
 そのとき、浦島はふと、かかえていた玉手箱(たまてばこ)に気がつきました。
「そうだ。この箱(はこ)をあけてみたらば、わかるかもしれない」
 こうおもうとうれしくなって、浦島は、うっかり乙姫(おとひめ)さまにいわれたことはわすれて、箱のふたをとりました。するとむらさき色の雲が、なかからむくむく立ちのぼって、それが顔にかかったかとおもうと、すうっと消えて行って箱のなかにはなんにものこっていませんでした。その代(かわ)り、いつのまにか顔じゅうしわになって、手も足もちぢかまって、きれいなみぎわ[#「みぎわ」に傍点]の水にうつった影(かげ)を見ると、髪(かみ)もひげも、まっしろな、かわいいおじいさんになっていました。
 浦島はからになった箱(はこ)のなかをのぞいて、
「なるほど、乙姫(おとひめ)さまが、人間のいちばんだいじなたからを入れておくとおっしゃったあれは、人間の寿命(じゅみょう)だったのだな」
と、ざんねんそうにつぶやきました。
 春の海はどこまでも遠(とお)くかすんでいました。どこからかいい声で舟うたをうたうのが、またきこえてきました。
 浦島は、ぼんやりとむかしのことをおもい出していました。
 楼主| 发表于 2007-7-25 12:39:23 | 显示全部楼层
http://www.aozora.gr.jp/cards/000329/card18334.html
猿かに合戦
楠山正雄

     一

 むかし、むかし、あるところに、猿(さる)とかにがありました。
 ある日猿(さる)とかにはお天気(てんき)がいいので、連(つ)れだって遊(あそ)びに出ました。その途中(とちゅう)、山道(やまみち)で猿(さる)は柿(かき)の種(たね)を拾(ひろ)いました。またしばらく行(い)くと、川(かわ)のそばでかにはおむすびを拾(ひろ)いました。かには、
「こんないいものを拾(ひろ)った。」
 と言(い)って猿(さる)に見(み)せますと、猿(さる)も、
「わたしだってこんないいものを拾(ひろ)った。」
 と言(い)って、柿(かき)の種(たね)を見(み)せました。けれど猿(さる)はほんとうはおむすびがほしくってならないものですから、かにに向(む)かって、
「どうだ、この柿(かき)の種(たね)と取(と)りかえっこをしないか。」
 と言(い)いました。
「でもおむすびの方(ほう)が大きいじゃないか。」
 とかには言(い)いました。
「でも柿(かき)の種(たね)は、まけば芽(め)が出て木になって、おいしい実(み)がなるよ。」
 と猿(さる)は言(い)いました。そう言(い)われるとかにも種(たね)がほしくなって、
「それもそうだなあ。」
 と言(い)いながら、とうとう大きなおむすびと、小さな柿(かき)の種(たね)とを取(と)りかえてしまいました。猿(さる)はうまくかにをだましておむすびをもらうと、見(み)せびらかしながらうまそうにむしゃむしゃ食(た)べて、
「さようなら、かにさん、ごちそうさま。」
 と言(い)って、のそのそ自分(じぶん)のうちへ帰(かえ)っていきました。

     二

 かには柿(かき)の種(たね)をさっそくお庭(にわ)にまきました。そして、

「早(はや)く芽(め)を出(だ)せ、柿(かき)の種(たね)。
出(だ)さぬと、はさみでちょん切(ぎ)るぞ。」

 と言(い)いました。すると間(ま)もなく、かわいらしい芽(め)がにょきんと出ました。
 かにはその芽(め)に向(む)かって毎日(まいにち)、

「早(はや)く木になれ、柿(かき)の芽(め)よ。
ならぬと、はさみでちょん切(ぎ)るぞ。」

 と言(い)いました。すると柿(かき)の芽(め)はずんずんのびて、大きな木になって、枝(えだ)が出て、葉(は)が茂(しげ)って、やがて花(はな)が咲(さ)きました。
 かにはこんどはその木に向(む)かって毎日(まいにち)、

「早(はや)く実(み)がなれ、柿(かき)の木よ。
ならぬと、はさみでちょん切(ぎ)るぞ。」

 と言(い)いました。すると間(ま)もなく柿(かき)の木にはたくさん実(み)がなって、ずんずん赤(あか)くなりました。それを下からかには見上(みあ)げて、
「うまそうだなあ。早(はや)く一つ食(た)べてみたい。」
 といって、手(て)をのばしましたが、背(せい)がひくくってとどきません。こんどは木の上に登(のぼ)ろうとしましたが、横(よこ)ばいですからいくら登(のぼ)っても登(のぼ)っても落(お)ちてしまいます。とうとうかにもあきらめて、それでも毎日(まいにち)、くやしそうに下からながめていました。
 するとある日猿(さる)が来(き)て、鈴(すず)なりになっている柿(かき)を見上(みあ)げてよだれをたらしました。そしてこんなにりっぱな実(み)がなるなら、おむすびと取(と)りかえっこをするのではなかったと思(おも)いました。それを見(み)てかには、
「猿(さる)さん、ながめていないで、登(のぼ)って取(と)ってくれないか。お礼(れい)には柿(かき)を少(すこ)し上(あ)げるよ。」
 と言(い)いました。猿(さる)は、
「しめた。」
 と言(い)わないばかりの顔(かお)をして、
「よしよし、取(と)って上(あ)げるから待(ま)っておいで。」
 と言(い)いながら、するする木の上に登(のぼ)っていきました。そして枝(えだ)と枝(えだ)との間(あいだ)にゆっくり腰(こし)をかけて、まず一つ、うまそうな赤(あか)い柿(かき)をもいで、わざと、「どうもおいしい柿(かき)だ。」と言(い)い言(い)い、むしゃむしゃ食(た)べはじめました。かにはうらやましそうに下でながめていましたが、
「おい、おい、自分(じぶん)ばかり食(た)べないで、早(はや)くここへもほうっておくれよ。」
 と言(い)いますと、猿(さる)は、「よし、よし。」と言(い)いながら、わざと青(あお)い柿(かき)をもいでほうり出(だ)しました。かにはあわてて拾(ひろ)って食(た)べてみますと、それはしぶくって口がまがりそうでした。かにが、
「これこれ、こんなしぶいのはだめだよ。もっとあまいのをおくれよ。」
 と言(い)いますと、猿(さる)は「よし、よし。」と言(い)いながら、もっと青(あお)いのをもいで、ほうりました。かにが、
「こんどもやっぱりしぶくってだめだ。ほんとうにあまいのをおくれよ。」
 と言(い)いますと、猿(さる)はうるさそうに、
「よし、そんならこれをやる。」
 と言(い)いながら、いちばん青(あお)い硬(かた)いのをもいで、あおむいて待(ま)っているかにの頭(あたま)をめがけて力(ちから)いっぱい投(な)げつけますと、かには、「あっ。」と言(い)ったなり、ひどく甲羅(こうら)をうたれて、目をまわして、死(し)んでしまいました。猿(さる)は、「ざまをみろ。」と言(い)いながら、こんどこそあまい柿(かき)を一人(ひとり)じめにして、おなかのやぶれるほどたくさん食(た)べて、その上両手(りょうて)にかかえきれないほど持(も)って、あとをも見(み)ずにどんどん逃(に)げて行(い)ってしまいました。
 猿(さる)が行ってしまったあとへ、そのときちょうど裏(うら)の小川(おがわ)へ友(とも)だちと遊(あそ)びに行っていた子がにが帰(かえ)って来(き)ました。見(み)ると柿(かき)の木の下に親(おや)がにが甲羅(こうら)をくだかれて死(し)んでいます。子がにはびっくりしておいおい泣(な)き出(だ)しました。泣(な)きながら、「いったいだれがこんなひどいことをしたのだろう。」と思(おも)ってよく見(み)ますと、さっきまであれほどみごとになっていた柿(かき)がきれいになくなって、青(あお)い青(あお)いしぶ柿(がき)ばかりが残(のこ)っていました。
「じゃあ、猿(さる)のやつが殺(ころ)して、柿(かき)を取(と)っていったのだな。」
 とかにはくやしがって、またおいおい泣(な)き出(だ)しました。
 するとそこへ栗(くり)がぽんとはねて来(き)て、
「かにさん、かにさん、なぜ泣(な)くの。」
 と聞(き)きました。子がには、猿(さる)が親(おや)がにを殺(ころ)したから、かたきを討(う)ちたいと言(い)いますと、栗(くり)は、
「にくい猿(さる)だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣(な)きでない。」
 と言(い)いました。
 それでも子がには泣(な)いていますと、こんどは蜂(はち)がぶんとうなって来(き)て、
「かにさん、かにさん、なぜ泣(な)くの。」
 と聞(き)きました。
 子がには猿(さる)が親(おや)がにを殺(ころ)したから、かたきを討(う)ちたいと言(い)いました。すると蜂(はち)も、
「にくい猿(さる)だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣(な)きでない。」
 と言(い)いました。
 それでも子がにがまだ泣(な)いていますと、こんどは昆布(こんぶ)がのろのろすべって来(き)て、
「かにさん、かにさん、なぜ泣(な)くの。」
 と聞(き)きました。
 子がには猿(さる)が親(おや)がにを殺(ころ)したから、かたきを討(う)ちたいと言(い)いました。すると昆布(こんぶ)も、
「にくい猿(さる)だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣(な)きでない。」
 と言(い)いました。
 それでも子がにがまだ泣(な)いていますと、こんどは臼(うす)がころころころがって来(き)て、
「かにさん、かにさん、なぜ泣(な)くの。」
 と聞(き)きました。
 子がには猿(さる)が親(おや)がにを殺(ころ)したから、かたきを討(う)ちたいと言(い)いました。すると臼(うす)も、
「にくい猿(さる)だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣(な)きでない。」
 と言(い)いました。
 子がにはこれですっかり泣(な)きやみました。栗(くり)と蜂(はち)と昆布(こんぶ)と臼(うす)とは、みんなよって、かたき討(う)ちの相談(そうだん)をはじめました。

     三

 相談(そうだん)がやっとまとまると、臼(うす)と昆布(こんぶ)と蜂(はち)と栗(くり)は、子がにを連(つ)れて猿(さる)のうちへ出かけて行きました。猿(さる)はたんと柿(かき)を食(た)べて、おなかがくちくなって、おなかこなしに山へでも遊(あそ)びに行ったとみえて、うちにはいませんでした。
「ちょうどいい。この間(あいだ)にみんなでうちの中にかくれて待(ま)っていよう。」
 と臼(うす)が言(い)いますと、みんなはさんせいして、いちばんに栗(くり)が、
「わたしはここにかくれよう。」
 と言(い)って、炉(ろ)の灰(はい)の中にもぐり込(こ)みました。
「わたしはここだよ。」
 と言(い)いながら、蜂(はち)は水がめの陰(かげ)にかくれました。
「わたしはここさ。」
 と、昆布(こんぶ)は敷居(しきい)の上に長々(ながなが)と寝(ね)そべりました。
「じゃあ、わたしはここに乗(の)っていよう。」
 と臼(うす)は言(い)って、かもいの上にはい上(あ)がりました。
 夕方(ゆうがた)になって、猿(さる)はくたびれて、外(そと)から帰(かえ)って来(き)ました。そして炉(ろ)ばたにどっかり座(すわ)り込(こ)んで、
「ああ、のどが渇(かわ)いた。」
 と言(い)いながら、いきなりやかんに手(て)をかけますと、灰(はい)の中にかくれていた栗(くり)がぽんとはね出(だ)して、とび上(あ)がって、猿(さる)の鼻面(はなづら)を力(ちから)まかせにけつけました。
「あつい。」
 と猿(さる)はさけんであわてて鼻面(はなづら)をおさえて、台所(だいどころ)へかけ出(だ)しました。そしてやけどをひやそうと思(おも)って、水がめの上に顔(かお)を出(だ)しますと、陰(かげ)から蜂(はち)がぶんととび出(だ)して、猿(さる)の目の上をいやというほど刺(さ)しました。
「いたい。」
 と猿(さる)はさけんで、またあわてておもてへ逃(に)げ出(だ)しました。逃(に)げ出(だ)すひょうしに、敷居(しきい)の上に寝(ね)ていた昆布(こんぶ)でつるりとすべって、腹(はら)んばいに倒(たお)れました。その上に臼(うす)が、どさりところげ落(お)ちて、うんとこしょと重(おも)しになってしまいました。
 猿(さる)は赤(あか)い顔(かお)をありったけ赤(あか)くして苦(くる)しがって、うんうんうなりながら、手足(てあし)をばたばたやっていました。
 そのとき、お庭(にわ)の隅(すみ)から子がにがちょろちょろはい出(だ)してきて、
「親(おや)のかたき、覚(おぼ)えたか。」
 と言(い)いながら、はさみをふり上(あ)げて、猿(さる)の首(くび)をちょきんとはさみではさんでしまいました。
发表于 2007-7-25 15:37:31 | 显示全部楼层
說道童話,
日本于1976年~1979年播放的電視動畫系列【まんが 世界昔ばなし(The Animation of World's Folklore).
是將當時世界童話的諸多名著動畫化的經典名作選。
該片對出生于七,八十年代的國人有著烙印般深刻的印象。
OP中頭戴尖帽子的金發女孩未能追趕上氣球的失落以及后段和男孩一起乘坐熱氣球迎向朝陽的場面,
或許一些人這一生都無法忘記。
現在該系列以DVD51枚形式再版。(總價364,140円)= -;;有盜版多好···
暫不考慮購買。

----------------------------------------------------------------------------------------
下面是YOUTOBE上的國外OP版,鏈接給想回顧的網友。

http://www.youtube.com/watch?v=OBvaTFjmcDs
发表于 2007-7-25 15:46:07 | 显示全部楼层
看不懂```
发表于 2007-7-25 15:53:33 | 显示全部楼层
不過這兒的動畫迷實在不多···
发表于 2007-7-25 18:53:25 | 显示全部楼层
原帖由 n.zhu 于 2007-7-25 15:37 发表
說道童話,
日本于1976年~1979年播放的電視動畫系列【まんが 世界昔ばなし】(The Animation of World's Folklore).
是將當時世界童話的諸多名著動畫化的經典名作選。
該片對出生于七,八十年代的國人有著烙 ...


正如你所说,一生都无法忘记
发表于 2007-7-26 00:18:05 | 显示全部楼层
给小朋友看的童话汉字用的也太少了,看着实在累,阅读速度减少3/4。
发表于 2007-7-26 00:21:14 | 显示全部楼层
原帖由 INNA 于 2007-7-25 18:53 发表


正如你所说,一生都无法忘记



當今日本動畫界沿用這種風格作畫的似乎只有「STUDIO GHIBLI 」。

我也是因為無法舍棄童年的羈絆才選擇動畫作為職業的。(~倖せだ

[ 本帖最后由 n.zhu 于 2007-7-26 00:24 编辑 ]
发表于 2007-7-26 00:21:31 | 显示全部楼层
好多日文字。。。。。
发表于 2007-7-26 01:45:11 | 显示全部楼层
一个也看不懂 日文不好玩
发表于 2007-7-26 01:45:33 | 显示全部楼层
哈哈 楼主应该弄个翻译擂台!
 楼主| 发表于 2007-7-26 14:11:13 | 显示全部楼层
对日文有兴趣的,驴上有这几篇文章的朗读.
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